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旅立ちの合図

酸素室をお借りして組み立て、準備万端の状態で王子を病院へ
迎えに行きました。
利尿剤を打ってもらい抱っこしたときはとても軽く力なく感じました。
それでも王子が旅立つとは思っていませんでした。
思いたくなかったのかもしれません。

家に帰って酸素室に寝かせようとしましたがやっぱり立ったままです。
食事の支度をして居る間は二人の娘達が酸素室の傍で王子に話かけ
たりしていました。
娘達に食事を取らせ、暫くして王子の口元を見るとやはり色が・・・
病院へ電話をして処方してもらったスプレー式の定量噴霧式・ニトログリセリン
を吹きかけました。
まったく様子は変わりませんでした。
それでもまだ明日の王子の看病のため仕事を休む段取りなどを考えて
居ました。暫くは小康状態を取り戻してくれると思っていたのです。

娘が『お母さん。なんだか酸素室から出たがっているみたい』
そう言われて王子を見ると、前足で一生懸命入口をひっかいていました。
『おしっこしたいの?そこでしても良いんだよ!出ないの?トイレなの?』
そう言って酸素室から出して抱っこしました。
王子のトイレへ連れて行きましたが『違う違う』といったように私の膝をひっかく
しぐさをしました。
『ダメダメ酸素室戻ろうね。具合悪くなるよ。』そう言って王子を抱き、再び酸素室へ・・・
その後30秒なのか1分なのか時間の感覚が分からないのですが
王子は酸素室の入口で倒れこみました。

びっくりした私は王子の名前を呼びながら抱き上げました。
その時王子の旅立ちの予感がしました。
病院へ電話して3分ほどの距離を娘の車で走りました。
私の腕の中ですっぽり眠ったようにしている王子
何度も『有難う。有難う。ありがとね。ずっとずっと大好きだよ。ずっとずっと一番宝だよ』
そう言いながら病院へ向かいました。
優しい優しい赤ちゃんのような表情をしていました。

それでも病院へ着き先生に王子を預けたら、もしかして助かるかも知れないと
期待している自分がいました。

処置室に呼ばれました。懸命に蘇生をして下さっていました。
でも王子の心臓の鼓動は戻ることはありませんでした。
先生から『多分心臓が戻ることは無いと思います。脳に近い耳は最後まで
聞こえているといわれています。どうか話しかけてあげてください』
私たち3人は必死に其々の感謝の思いと愛の言葉をかけました。
わんちゃんって目を開けたままなんですね。
先生が可愛い表情だから開けたままにしてあげましょうと
言ってくださいました。

思えば酸素室から出ようとしたのは私が望んだ『最後の時は家族全員が揃い、
私の腕の中で』という最後のお願いを王子が叶えてくれたんだと。
『次女が帰るまで、お姉ちゃんが帰るまで、お母さんが帰るまで・・・必ず
待っててね。お約束だよ』という毎日話しかけていた約束を守ってくれたのです。
あれは旅立ちの合図だったのでしょう。


初めて誰かと心が通い合うという経験をしました。
そういう意味では私はそれまで不幸だったのかも知れませんが
王子と初めて心が通い合うという経験をしたのです。

なぜあの時旅立ちの合図に気が付かなかったのだろう。
ずっと抱っこしていてあげなかったんだろう。
酸素室に戻さず抱いていてあげたかった。
これが私の最後の後悔です。
娘たちには『大切な人には必ず後悔が残るんだよ。精一杯頑張ってくれたんだよ』
そう言いながら私自身が後悔です。

それでも今私は幸せです。
誰かと心が通い合う。それが物言わぬ動物であっても私たちの大切な家族。
特別な存在です。
およそ1年間。沢山のお薬、痛い注射。王子は一生懸命頑張ってくれました。
この期間を与えてもらえなかったら私はとても自分を責め、後悔した事でしょう。
本当に王子に感謝しています。
私たち家族は幸せです。
王子がそうしたように私たちも精一杯生きようと思います。
あらためて王子に『うちの子になってくれて、ありがとう

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プロフィール

olive

Author:olive
シングルで子育て完了。趣味は猫の額ほどの庭いじり。時々ゴルフ、株も始めました。大切な王子が旅立って少しメソメソしています。

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